特殊清掃の豆知識

オゾン燻蒸機は国産、海外(中国・イスラエル)等を・・・

2024年04月28日 21:57

「あぐり」への質問 特殊ブログ15 特殊清掃の依頼を考えています。オゾン脱臭機の稼働で1日いくら?の見積り書が有りましたが、どうして高額になるのですか?


オゾン燻蒸機は国産、海外(中国・イスラエル)等を使用している業者が多くいます。オゾン燻蒸自体が決して高額では無い物も有る事を、ここで御紹介できればと思います。



1 購入価格と機材寿命

まず、最初にこれは私の私見と言う事を前提に御案内させて頂きます。一番に高額なのがイスラエル製です。これは紛れもなく国内で流通しているオゾン燻蒸機において最高スペックです。ただ、湿度や温度に弱く、特殊清掃を行う上では消臭剤の噴霧等を行う為、必然的に湿度は上がります。イスラエル製のオゾン燻蒸機は、その様な環境に弱く、故障が起こりやすいのが特徴です。オゾン燻蒸を行う事により、すべての

物が酸化してゆきます。

弊社の施工においてもオゾン燻蒸を行う際は、医療用プラ手(耐久性が良い為)を使用している施工の延長上、火災報知器気にプラ手を取り付け(火災報知器が反応する為)施工を行いますが翌日、オゾン燻蒸機の回収に行くとプラ手は酸化しボロボロの状態になっています。これはオゾンを燻蒸する機械自体においても同様です。海外の、多様な製品(特殊清掃に使用する機材や薬品)は目的の為のスペックを追及する余り、機材本体や環境に配慮が少なく耐久性が保たれていないのではと思う事も有ります。

また、機材自体が発生さすオゾンによって機材自体へのダメージも大きく故障は頻繁に発生します。ひどい物は昨年に購入した機材が僅か240時間の使用で修理交換となりました。費用は約30万円程、発生いたしました。

また、スイッチ異常の為のスイッチ交換だけで約5万円です。海外製の為、勿論メーカー保証や販売先の補償も有りません。購入価格は2023年度の平均ボーナス額の物や、その7割程度の機材も有ります。

次に「中国製」です。中国製はイスラエル製と比較した場合、小型で非常に安価です。

小型では有りますが、イスラエル製中型機のオゾン燻蒸量を中国製2台~3台でカバーができます。「2台~3台」と言うのは、機材のよりオゾン燻蒸量にムラが有る様に思えるからです。

また、故障も無く稼働してくれますが、使えば使う程、オゾン燻蒸量が落ちている様に思えます。ただ、10回のオゾン燻蒸が無くなると仮定した場合、イスラエル製の3倍、つまり3台が10回のオゾン燻蒸で代替が必要となったとしても1施工10時間と仮定した場合は100時間の運用が行えます。中国製のオゾ

ン燻蒸機は安価です。中国製を10台、購入して30施工(300時間)使用したとしてもコストは半額となります。ただ、基本的に安い金額ではございません。また中国製は110Wの電力対応となっている事も有り漏電対策等が必須となります。



2 日本製

海外のイスラエル製オゾン燻蒸機と、ほぼ同程度のスペックがあります。ただ、正直な所、イスラエル製より、やや安価な分、スペックも劣っている様に感じています。

ただ、イスラエル製よりも不具合が起きにくく安定した運営が行えます。施工中に故障すると弊社では予備機を持ち合わせていますが必要以上にオゾン燻蒸機は持ち出さない為、工期は1日延びてゆきます。また、中国製より機材毎にスペックのバラツキも無くプラン通りの施工を行う事ができます。国産のオゾン燻蒸機は、まず「扱いやすさ」です。「扱いやすさ」とはイスラエル製のオゾン燻蒸機の使用後はメンテナンスが必ず必要です。

また非常にデリケートで有り振動等でも壊れやすい物です。メーカー保証も販売先補償も無い為、私としては国産品の方が頑丈で扱いやすく、高温、高湿度が難点のイスラエル製(30℃以下での使用を推奨されています。30℃以上の場合は故障が起こるリスクが急激に上がります)より気温40℃でも故障しない国産の方が良いとも思います。孤独死による特殊清掃は夏場が多く「地球沸騰化」現象により猛暑日は毎年の様に増えてきています。真夏の孤独死の場合、エアコンが壊れていたりする事が多く有ります。夏場にイスラエル製オゾン燻蒸を行う場合、故障防止の為とオゾン燻蒸が一番効率的な気温26℃~28℃に設定する事や故障防止の為、弊社ではスポットクーラーを持ち込む事も有ります


3 消耗品

以上をまとめますと「オゾン燻蒸機」は「消耗品」です。ただ、洗剤や消臭剤との違いはどの機械も高額で有る事、海外製品は壊れやすい事、補償や保証も無く修理代も高額になる事からも特殊清掃によるオゾン燻蒸機のメンテナンス作業や、修理代等の維持費を経営的に考えると「安くは無い」と言う事です。



4 オゾン燻蒸による消臭施工

今まで何度か記事にさせて頂きましたが、オゾン燻蒸のみで臭いの除去は行えません。特殊清掃において最も重き施工は「除菌」「清掃・洗浄」等を含めた前作業です。

この作業を緻密に行わなければ、どんなハイスペックのオゾン燻蒸機を稼働さしたとしても臭いの除去は不可能です。



5 オゾン燻蒸による消臭効果と施工価格

特殊清掃における施工工程は複雑です。オゾン燻蒸も「正しい消臭工程」を行えれば効果的な消臭は間違い無く行えます。ただ、いくらハイスペックのイスラエル製オゾン燻蒸機を使用したとしても「誤った消臭工程」を行えばオゾン燻蒸機自体の酸化による劣化は激しい事による耐用年数の低下や機材毎に耐久性にバラツキも有る様にも感じています。

また、先ほどの様に240時間の稼働で故障する物も有れば1000時間稼働を行っている物等、同じメンテナンスを行っていても、いつ故障するのか分からない「運を天にまかす」としか申し上げ様が無いのが私の印象です。この様な背景も有る事から設定料金は別にしてオゾン燻蒸機自体に運営会社として大きなコストが係っている事によりオゾン燻蒸は高額施工となります。



6 特殊清掃における最新技術

今や特殊清掃も「科学と化学」の応用の時代となっています。オゾン燻蒸を行わない「消臭方法」です。これは、臭いの付着や、その付着物の性質を理解し消臭剤の使用方法に工夫を行う施工です。ここで詳しく申し上げる事は控えさせて頂きますが、オゾン燻蒸は人体に対して肺水腫等の疾病リスクが発生しますが、この消臭方法で使用される消臭剤は「植物由来」の成分ですべて作られています。従って人体に対して無害です。ただ、特殊清掃による工期がオゾン燻蒸による工程より、やや長めになる事も稀に有ります。

この消臭方法は有る程度のスキルや原理の理解が必要となりオゾン燻蒸による特殊清掃よりも複雑な工程も有る為、習熟するには、時間が必要となります。すべての特殊

清掃業者が対応できるものでは無い事もお伝えさせて頂きます。